中国人や台湾人に人気の可愛い子がいる風俗店
“現代の遊郭”飛田新地(大阪・西成区)に中国人をはじめ訪日外国人観光客が大挙押し寄せている実態をちょうど1年前にリポートしたが、その勢いはさらに加速しているようだ。日が暮れると、街のあちこちで見かける中国人らしき若者のグループ。店の玄関口に座った女の子を見ながら通りを行き来し、気に入った子がいれば店に入っていく。ここでも爆買いは健在だが、街の関係者に言わすと彼らの評判は散々。「マナーがひどい。お金は落としてくれるかもしれないが、もう来ていらん」。そんな声も聞かれるのだ。
聞こえてくる中国語
「おにいちゃん、寄っていって、ホラ、こんなかわいい子…」
「料亭」が立ち並ぶ街の中心部。店の玄関口に座った客引きのおばさんが通りに向かって声をかけ、隣の女の子がほほ笑む。そんな、おなじみの光景の中で聞こえてくるのは中国語での会話だ。
ミナミあたりのホテルに宿泊しているのか。Tシャツやポロシャツに半パンというラフな格好でやってきて、気に入った女の子を見つければ、店の入り口で時間や料金を確認し中へ入っていく。
利用時間はほぼ他の客と同じで、20分前後が多いようだ(使用金額は1万5000円から2万円程度か)。
ある店では3人連れが玄関口でおばさんと話していた。うち1人がその場で金を払い、靴を脱いでそそくさと2階に。残った2人は笑顔で見送り、別の店を物色するためか、また通りを歩いていった。
お金は通常、部屋に入ってから女の子に渡すものだが、言葉が通じにくく、習慣の違う外国人客の場合は例外もあるようだ。「中国人? 多いね。(応対は)片言で少しは慣れたけど」。店のおばさんはそう話した。
「自分本位で強引」
今や客の何割かは中国や韓国などアジアから来た観光客が占めるが、そんな中で評判がよくないのが中国人客だ。飛田新地をよく知る地元関係者はこう明かす。
「店に聞くと、(中国人客は)とにかく遊び方がえげつないという。払った金と時間分だけ、もとをとろうとする。サービスも女の子のやり方に任せず、自分本位で強引。そして、しつこく迫る。だから店とのトラブルも多い。他の外国人客はそうでもないが、中国人客だけは抵抗があるという子は多い」
ある店の従業員も「人にもよるんだけどね」と顔をしかめ、中国人客の対応に苦労していることを認めた。
中国人客に対しては、これまでも店側から「女性をモノのように扱う」「営業終了時間を過ぎても、とどまろうとする」などの苦情が聞かれたが、マナーの悪さは相変わらずのようだ。
昼はUSJ、夜は飛田へ
飛田新地を訪れる外国人客は、大阪への訪日観光客の増加と比例するように増えている。口コミに加え、中国などでは“大阪観光”のガイドブックにも載っているといい、今や若い男性客にとって「トビタ」は有名タウンで、買い物をするような気軽な気分で訪れるようだ。
代金先払い方式なのも、外国人客には分かりやすいという。「海外ではバーでも先に払って飲み物をもらうなど、先払いが多い。だから、ここのシステムは分かりやすく、ボッタクリもないので遊びやすいのではないか」(飛田新地料理組合の関係者)
ほかにも、女の子が“顔見せ”している▽ファッションヘルスなど他の風俗店と違いサービス内容がストレートである▽時間が短くリーズナブルである-ことが人気の理由とされ、外国人だけでなく、他県などからきた日本人の若者の姿も目立つ。先の地元関係者はこう指摘する。
「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行って、新世界で串カツ食って、中国人ならミナミで爆買いし、そして夜の遊びは飛田で…という流れができている」
千客万来も…
まさに大阪観光の“黄金ルート”。にぎわい、繁栄という面ではいいのかもしれないが、ただ、それは“寂しい形”でもあるという。
「こういうところ(遊郭)は昔は気に入った子がいたら、1時間延長しようか、3万、5万円でも出してゆっくりしよか、という遊び方があった。客はきちんとした服装できて、近くから仕出しをとって店の女性と一緒に食べたりしてね。もう少し粋(いき)で情緒があったが、今はそんな面影もない。いつまでもこんな遊び方で、こんな街のあり方でいいのかとは思う」
近づく開業100周年
大正7(1918)年に開業した飛田新地は、2年後の平成30(2018)年に100周年を迎える。組合ではこの節目に“原点回帰”として、街の一角にある昔の女性たちをまつった慰霊碑に参るなど、100年祭の行事を考えている。
一方で、ゆっくり遊べるようにと、料金・時間を含めたサービス内容などの改革も検討したが、こちらは店の協力が得にくく難しいという。
大阪圏外からの客が増え、訪日外国人客が増え…と、この10年だけでも様変わりした飛田新地。ネットで紹介されたり、「飛田」に関する本が相次いで出版されたりして街が知られるようになり、興味本位で訪れる人も多い。
毎年7月に行われる夏祭りでは、昼間の街を子供神輿(みこし)について歩くことができるため、近年はカメラを携えた“見学者”も増えている。タブー色が薄れた“異端の色町”は誕生100年を迎え、今後どんな顔を見せるのだろうか。
Posted in 台湾女性
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